この道/山田耕筰

山田耕筰作曲の「この道」の、歌詞の情景について解説しています。

このところ音楽以外の記事ばかりを投稿していましたので、大晦日の本日はオンラインコンサートで歌う曲の解説で締めたいと思います。

北原白秋作詞、山田耕筰作曲の「この道」は、2006年に文化庁と日本PTA全国協議会が親子で長く歌い継いでほしい「日本の歌百選」にも選ばれているほど、広く親しまれている曲です。

では、曲のタイトルにもなっている「この道」は、どのような道なのかご存知ですか?この曲の歌詞には、北原白秋が晩年に旅行した北海道と、白秋の母の実家である熊本県南関町から柳川の風景をあらわしたものとされています。

1番の歌詞にでてくるあかしやとは、「ニセアカシア」のことで、北海道札幌市に街路樹としてよく植えられています。右の画像がニセアカシアの花です。

2番の白い時計台は、1番と同じく北海道札幌市にある時計台です。現在は周辺の道も広くなっており、歌詞がつくられた頃の面影はありませんが、この時計台から言葉がひらめいたということは間違いないようです。

3番で母親と馬車に乗ったという内容になるので、この部分は白秋の出身地である熊本県のことを想って書かれたのだということがわかります。



4番のさんざしは、寒いところでも育つ植物だそうなので、北海道の風景を描いていると思われます。右の画像がさんざしの花です。

この曲は1927年に作曲され、同じ年に出版された「童謡百曲集」にも収録されていたそうですが、童謡と呼ぶには音の跳躍が激しく、変拍子が入っていたりするので、難易度が高いです。

しかし、美しいながらもどこか懐かしい雰囲気をもつメロディーは、多くの人の心を和ませてきました。この曲を聴いてふと家族を思い出した、声が聴きたくなった、そんな想いを引き出す演奏ができればと思います。

2020年もあと少しで終わります。
みなさま、どうぞ良いお年をお迎えください。