Ave Maria/F.P.Tosti
2月23日にYouTubeで配信したトスティ作曲のAve Mariaの解説です。作曲家トスティの情報や演奏のポイントについても解説しています。
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トスティについて
フランチェスコ・パオロ・トスティ(Francesco Paolo Tosti,1846~1916)は、イタリアの作曲家です。オペラを作曲することが主流であった時代に、数百曲にもおよぶ歌曲を作曲しています。
トスティは12歳でナポリ音楽院に入学し、ヴァイオリンと作曲を学びました。ディプロマを取得した頃から歌曲を作曲するようになったようです。しばらくするとローマを中心に音楽家として活動するようになります。
その後、イタリア王室の声楽教師を経てイギリス王室の声楽教師を務めるようになり、ナイトの称号を与えられるという輝かしい経歴の持ち主です。
ヴァイオリンと作曲を学んだのに、どういう経緯で声楽教師になったのかは調べることができませんでしたが、彼の作曲した歌曲が当時人気だったことも関係しているのではないでしょうか。
日本にも日本トスティ協会が設立されており、会主催のコンクールやコンサートを行っています。
曲目解説
このAve Mariaの歌詞はラテン語の典礼文ではなく、イタリアの詩人、カメルロ・エルリーコによって書かれたものです。1番~3番まである歌詞の最後が「Ave Maria」と締めくくられているのがとても印象的ですね。
この詩に出てくる主人公(たぶん女性だと思われる)は、夕日が美しく教会のステンドグラスに差し込んでいる中、自分の想像の世界の中でいつも会いたいと思っている騎士と見つめあっています。
ふと我に返ると礼拝の最中であったことに気づき、マリア様に許しを求め、祈りを捧げて曲は終わります。
宗教曲を思わせる格調高い音楽に対して歌詞の内容はかなり世俗的ですが、当時の人にとっては非常に身近に感じられるものだったのではないでしょうか。
トスティの作曲する親しみやすいメロディーと、人々が共感する歌詞というコラボレーション。今でいうポップスの感覚で受け入れられていたのではないかと推測されます。
歌い方のポイント
同じ音が続くところは、言葉のアクセントに忠実に歌うといいでしょう。単調にならないようにとリズムを崩しすぎると曲の雰囲気にあわなくなります。
最後に出てくる“Ave Maria”以外のピアノパートの和音展開は、1~3番までほぼ同じになっています。同じだからと聞き流さないで、随所に出てくる不協和音にきちんと耳を反応させることが大切です。
この曲は音域も1オクターブ以内におさまっているので、中音域の声を充実させたい人におすすめです。
演奏の反省点
前回のセレナータの反省点
- 「ア」の母音が暗い
- 響きがときどき鼻に抜けてしまう
この2点を改善するために、次の2つのことに気をつけるようにしました。
- 舌先が丸まったり上がったりしないように、普段話しているときのポジションのまま歌うようにする
- デコルテ部分を引き上げるイメージで、良い姿勢を保つ
舌先に力が入ってしまい、丸まってしまったりすることによって吐く息がスムーズに流れないことがわかりました。
また、響きのポジションをより安定させるために姿勢を保つようにしたので、響きが鼻に抜けてしまうことは前回より少なくなりました。
ただ、「ア」の母音が暗いことに関してはもう少し改善が必要です。歌詞がたくさんあるところはいいのですが、フレーズの最後の「ア」など、のばす音の暗さがとても気になります。
口の開け方も含め、いろいろ改善策を試してみようと思います。
次回の曲は「最後の歌」です。
次回の配信では、演奏スタイルを少し変えてみる予定です。
よく見ないと、どこが変わっているのかわからないかもしれません。
気になる方は、ぜひ動画をチェックしてみてくださいね!