「浜辺の歌」は、「この道」と同じく、2007年に『日本の歌100選』に選ばれており、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
歌人で作詞家の林古渓によって書かれた詩に、成田為三が曲をつけました。作曲された年ははっきりとはわかっていませんが、1918年に楽譜が出版されています。
1・2番は朝や夕方に浜辺をあてもなく歩いていると、昔の出来事や過去に出会った人のことが思い出される。海の様子や空に浮かんでいる月は今も変わらないけども…といった情景が描かれています。
3番の歌詞はそれまでとは違った展開を見せ、自分の病気は治ったけれども、愛しい我が子は今どうしているのだろう…と、何らかの事情で会えない自分の子どもへの思いを口にして曲は終わります。
1・2番しか演奏されないことも多いですが、この曲のメッセージは3番にこそ集約されている気がします。
歌詞が文語体で書かれているので多少とっつきにくく、言葉が少ないため読み取れる情報も少ないですが、親しみやすい曲調が大切な人を思い出させてくれる曲です。
この年末年始はコロナウイルスのために家族や大切な人になかなか会えないという人も多いと思いますが、そんな人に思いを馳せながらお聴きいただければと思います。